明治期に輸出向けに作られた象形の土瓶や急須。色鮮やかな文様を上絵の具(盛絵)で施こし、海外の人びとに大いによろこばれた。
明治期の萬古焼はいち早く海外向けの製品を考え、製造し、販路を輸出へと広げて行く。それらはオリジナリティ溢れるものが多く、例えば鶉や鴨、象や戌、イノシシなどの形をした動物器形の奇抜でエキゾチックな意匠の土瓶や窮す、七福神などのお面を貼りつけた面土瓶や、日本の風物などをモチーフにした土瓶などを次々と作りだし、海外で大変好評を博した。
色絵鴨形土瓶 大小
色絵梟土瓶 両眼が大きく、眼光が鋭い感じがフクロウの特徴を捉えている
色絵戌形後手急須 戌形の後手の急須で、頭部が蓋になっていて、両前足が注ぎ口
になっている。犬が立ち上がって戯れているようにもみえる。
色絵猪形土瓶 一見、「猪」なのか「豚」なのか判別が難しいが、作られた当時の
古い資料を見ると「猪」となっていた。確かに獣的な顔ではある。
色絵鶉形土瓶 色絵鶉形後手土瓶 色絵鶉形土瓶 色絵鶉形土瓶
鶉の形をした土瓶、急須。似てはいるがそれぞれサイズや意匠が違っている。形状も丸みがあり愛らしいので一同に集まると微笑ましい家族のよう。
色絵兜土瓶 色絵苫屋形花文土瓶 色絵龍頭花鳥文後手急須 色絵白梅文後手急須
ユニークな面土瓶
面土瓶とは土型を使って、色々な表情の面をいくつか別につくっておき、木型で作った土瓶本体の同部の全面に面を貼り付けたもの。天狗の鼻やひょっとこの口、恵比寿の冠の先などからお茶やお酒が出る様は、なんとも愉快で不思議な光景である。
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