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初! ばんこの里から新聞発行


ばんこの里会館から、新聞を発行いたします。目的はご来館のお客様に対して、萬古焼とは?の問いに対してのお答え、と言えるかもしれません。

 

 

萬古焼急須 新聞

歴史と開発 1

萬古焼の始まりとされる古萬古の作品には、現在の萬古焼急須の原点ともいえる、赤絵を施した盛盞瓶(せいさんびん)があります。江戸時代後期から明治時代にかけ四日市の垂坂山で出土されたきめ細かい陶土は木で型を採る急須に適していて、様々な急須や土鍋が作られました。明治時代には、その土が採れなくなり、現在の紫泥急須に繋がる鉄分を多く含む赤土を利用した急須作りが広まりました。

 

歴史と開発 2

大正、昭和には煎茶をみんなが飲むようになり、ロクロを使って沢山の急須が作られ全国で販売されました。戦後は機械ロクロ成形や鋳込み(いこみ)[現在 ばんこの里会館にて展示]による生産が盛んになりました。また手入れの楽なステンレスの茶漉しを取り付けることが多くなりました。昭和54年、200年以上継続している国の伝統工芸品の指定を受けました。

 

特徴

萬古焼の代表である紫泥の急須は、鉄分の多くを含む粘土を還元という焼き方で焼かれた焼き物で紫褐色になります。お茶の成分を程よく吸着してうまみ成分を活かす、緑茶には最高の器です。使うほどに色艶が出て光沢が出ます。

 

還元焼成とは?

萬古焼の紫泥の急須は、窯内の酸素を送らないようにして焼く「還元焼成」で焼きます。約1200度で焼きます。還元焼成の間に、酸化第二鉄が還元され、酸化第一鉄や四三酸化鉄となり紫褐色を呈します。[還元は中学二年生で学びます]さらに詳しくいうと、酸素を含む物質(酸化物)から酸素が取り除かれる反応のことです。

 

急須の茶漉し網の種類

陶製茶こし・サークル網・かご網・丸網・平網・ポコ網・ベンリー網・まるっと・オーバルなど

 

急須の製造方法

ロクロ手挽き成形・水コテ成形・排泥鋳込み(はいでいいこみ)成形・木型による成形

 

萬古焼の急須でお茶を飲むとなぜ美味しいの?

萬古急須を作る赤土には、多くに鉄分が含まれています。緑茶の主成分は渋味15%、苦み2〜3%、うま味1〜3%、甘み2〜4%、他ビタミン、ミネラル、香り成分で構成されています。お茶の成分の中のタンニンは金属イオンと反応しやすいので、鉄イオンと反応して水に溶けない物質に変え、美味しくなる味の要素を助けます。湯の中の鉄分はタンニンと共に器にくっついてうま味を保つ助けをしています。

 

良い急須の選び方

急須本体と蓋を合わせてガタつきの無い「すり合わせ」が良いものを選びましょう。なぜかというと、余計な空気が入らず、お茶の香りや味を楽しめるからです。また、急須を傾けてもお茶がもれないので、最後の一滴まで、注ぐことができるからです。

 

萬古のご褒美「急須の虹彩色」

萬古の急須はしばらく使うと虹のような光彩色があらわれます。茶渋により光の波長と同じ薄い膜ができるからです。(シャボン玉と同じ原理)急須をさらに使うと目立たなくなりますが、虹彩色は、急須を大切に長く使ったご褒美と言われています。

 

急須は生きている?

焼き物は丁寧に永く使い込むと「育つ」と言われています。使う事で、うるおいと艶が増し、味わいが出ます。お家で眠っている急須で、一度ゆっくり家族でお茶の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?気分を落ち着かせホッとし、身も心も癒してくれます。

 

 

 

これが、急須新聞 第一号版です。果たして、第2号はいかにいたしましようか、課題です。