いよいよ図録の最終章になりました。
さてさて 展示の締めくくりはどの様になっていくのでしょうか?
楽しみです。
第15章 道具 萬古焼にまつわる道具たち
現在まで続く萬古焼は、時代に即したやきものを作り出してきた。そして、その作り出されるものにはそれにまつわる様々な「道具」がある。作るための道具、焼くための道具、そしてそれをお客、使い手に繋げるための商いの道具がある。そんな道具たちからも、萬古焼の変遷や、他の産地との違いを垣間見ることができるであろう。
[焼く道具]
335 耐火煉瓦<萬古陶磁器工業組合>刻印(昭和)
戦時中、輸出に頼れなくなった萬古焼業界は軍需工業用としての耐火煉瓦を生産した、
これはその当時の「萬古陶磁器工業組合」の刻印が入った耐火煉瓦。
336 耐火煉瓦<登り窯用>(大正〜昭和)
w 270 d 168 h 130mm
その昔、登り窯や石炭窯で萬古焼を焼いていた頃の耐火煉瓦。
337 大匣鉢(大正〜昭和)
径 376 h140mm
登り窯などで製品を焼いた時代のもの。匣鉢とは、この筒型の鉢の中に製品を入れ、重ねて焼くためと、燃料の薪の灰などが製品に被らないためのカバー的な役割をする道具。この匣鉢は使い続けるうちに薪の灰が自然に付着しては溶けることの繰り返しにより、よく焼けた表面に艶が出て、いい表情をしている。
[作る道具]
338 型萬古成形木型各種(江戸〜昭和)
江戸時代に森有節が考案した急須を成形するための木型。芯棒の周りに組み木の要領で分割されたパーツで組み合わせ、急須の胴部の木型を組み立てる。他にも蓋や蓋の摘み、把手や注ぎ口、茶漉しなどの木型もあり、それぞれに薄く延ばした土を貼り合わせ、パーツを作りそれを組み立てて木型急須を完成する。これは提灯を製作する際の型をヒントに考案されたと伝えられている。
339 手引き(ろくろ)急須成形道具各種(昭和〜平成)
ポンス w 78 d 8 h 6mm
えごて w390 d 60 h 25mm
江戸時代から現在まで続く萬古焼を代表する[急須]これらはその急須をろくろ成形するための道具たちで、昔も今もほとんど変わらない形で受け継がれている。
340 手ろくろ(手回し轆轤)(大正)
径 580 h 650mm
これは急須成形に使用していた手回し轆轤(手ろくろ)。急須はサイズが小さく、軽いので使用する土も他の製品に比べると少量でろくろを回す際の土の重量による遠心力が、少ないため、ろくろの天板の縁に鉄輪のウエイトが取りつけてある。
341 動力成形用石膏 コテ(昭和)
342 施釉用台(金網式)(昭和)
径 2000 h 30mm
343 シルクスクリーン転写用原版(昭和)
w 265 d 25 h 330mm
344 銅版転写用原版(昭和)
w 450 d 1 h 317mm
[商いの道具]
345 前掛け、藁荷造り鋏、藁荷造り鉤(昭和)
346 台車、木製パレット(昭和)
台車 w 1300 d 490 h855mm
347 押切(カートン用裁断機)(昭和)
w 850 d 600 h 855mm
348 屋号看板(昭和)
金属 w 300 d 200 h 15mm
349 屋号刷り文字看板 原版2種(木箱用)(昭和)
大 w 530 h 274mm
350 萬古神社狛犬「阿吽」<蝶山>(昭和)
左 w270 d390 h570mm
右 w290 d440 h710mm
この陶製の狛犬「阿吽」(加藤蝶山作)は、四日市市陶栄町にある萬古神社に鎮座している。
351 [萬古不易]鉄印(2種)<沼波弄山伝・射和文庫蔵>(江戸)
w 18 d 60 h 20mm
萬古焼の陶祖、沼波弄山が作品に捺したとされる印銘。「永久に変わることのないこと」を意味する。
この萬古不易の印銘、ナンバー 351で、図録は、ラストになります。
実際の展示会場には、様々なしつらえもあり、品数としたら 400点に及んだと思います。
早いものです。
昨年の今頃は、展示する品々の写真どりやら、キャプション作りに、BANKO300thの展示WGの面々は、内田鋼一総合プロデュサーの元、忙しい日々を送っていました。
現在では、その時の展示WGのメンバーに新メンバーも加わり、生誕300thから開窯300thに向かって常にここ[ばんこの里会館]にて展示活動をしております。場所は、[ばんこの里会館]に入って、右手、受付カウンターの前のスペースです。いろいろな企画展を考え準備しております。
先日までは、秋の新米の時期に合わせて[ご飯土鍋]を中心に展示いたしておりました。
本日からは、いわゆる[土鍋]の展示が始まりました。
国産土鍋の80%以上のシェアである四日市萬古焼土鍋のオンパレードです。
おって、土鍋料理のレシピ集なども参考にしていただけるように準備いたしております。
ぜひお誘い合わせの上のご来館をお待ち申し上げます。
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