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今だからこそ 68  四日市萬古焼史 写真


カラー写真解説 11〜

 

 

 

 

 

写真11 古萬古(江戸中期)

     藍絵ライオン水指  高さ13、3cm

 

古萬古の手法には乾山の影響が著しいが、これも乾山の藍絵オランダに倣ったものである。前後に描いたライオン図は、ヨンストンの動物図譜によったもので、在来の唐獅子風を離れて写実のライオンを描いたものとしては最初に近いという点でも貴重な資料である。胴の上方に書かれたオランダ語の意は「獅子は勇猛にして動物の王たり」で、下方の方のは、「然れども鶏鳴及び車輪の音を怖がる。」蓋の上は、「静かなる水は深し」。これも古萬古の異国趣味ないし紅毛趣味を物語る有力なものである。萬古印。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真12 古萬古(江戸中期)

     赤絵千鳥文燭台  H21cm

 

茶の湯用のものである。古萬古の作品には、惣じて茶道具や懐石道具に関するものが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真13 古萬古(江戸中期)

     赤絵瓢形香炉 H9、5cm

 

 

形と意匠が変わっている。もともと火入であったかも知れないが、火屋が作られる香炉となっている。(林コレクション9

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真14 古萬古(江戸中期)

     丹波写蓋置 H5、5cm/交趾写亀香合 H4cm

古萬古は赤絵が本命であるが、もともと弄山は茶人で、素人の手作りから発しただけに、唐津、志野、織部、信楽など、いろんな写し物もしている。(林コレクション)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真15 古萬古(江戸中期)

     信楽写瓢箪水指(安達新兵衛箱書)H15cm

これも茶等の写し物の一つで、番頭安達新兵衛の箱書がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真16 古安東(江戸中期)

     雲鶴彫文浅鉢 D21cm

古安東の特色である、素地の一部だけに着彩したもので、意匠の卓抜によって大いに見るべきものになっている。見込みは片切彫による雲鶴で、周縁の捻梅と竜門の組み合わせは妙というべく、彫技秀れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真17 古安東(江戸中期)

     花鳥文鉢  D19、5cm

文様だけを絵付して、あとは素地のままにした、古安東独特のものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真18 古安東(江戸中期)

     恵比寿摘み香炉 H17cm

 

象耳に異国趣味を漂わせ、恵比寿摘みは和風のうちに異色を思わせるものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真19 古安東(江戸中期)

     飛雲文銚子 H12cm

 

 

素地に飛雲文だけを着彩したもので、古安東の特色を表している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真 20 有節萬古(幕末〜明治)

      十錦手松笠耳花生  H23、8cm

 

粉彩の十錦手であるが、事に蓮華文の腥臙脂は有節が我国に於いて先鞭をつけたものである。松笠耳も異色があり、裾の海浦文様も対照的に面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真21 有節萬古(幕末〜明治)

     盛絵百花文大皿 D32、5cm

十錦手の大作で、四季の彩花を粉彩の技法によって見事に表現している。中心の牡丹花

腥臙脂によって特色を出している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真22 有節萬古(幕末〜明治)

     十錦手挑絵鉢 D21cm

 

見込みは青磁のうちに淡紅を、また外側も同じく腥臙脂の桃紅に、有節萬古の特色が自づからに表されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真 23 有節萬古(幕末〜明治)

      木型作り盛絵菊花文急須 H9、5cm

 

我国に於ける型製陶器の先鞭を付けたのは有節の木型急須であるが、有節はこれに装飾するに華麗な十錦手の盛絵を以ってして名声を博した。